読み終わりました📕
紅蓮館の殺人 阿津川辰海 (講談社タイガ)
面白いか面白くないかで言ったら、面白かったのですが、正直に言えばいくつか不満もあり…📖
〈あらすじ的なもの〉
山中に隠棲した文豪に会うため、高校の合宿をぬけ出した僕と友人の葛城(かつらぎ)は、落雷による山火事に遭遇。救助を待つうち、館に住むつばさと仲良くなる。だが翌朝、吊り天井で圧死した彼女が発見された。これは事故か、殺人か。葛城は真相を推理しようとするが、住人と他の避難者は脱出を優先するべきだと語り──。
タイムリミットは35時間。生存と真実、選ぶべきはどっちだ。(文庫本裏表紙の紹介文まま)
ネタバレしますのでご注意くださいです⚠
無駄に長いです📝
探偵役は、主人公の友人である葛城。
主人公の僕こと田所君は、探偵になりたかったけどなれなかった、助手。
現在、保険会社調査員の飛鳥井光流(あすかい ひかる)という女性は、かつて助手を失った元探偵。
この3人で推理が進められていきます。
先になんか不満…と書いたのは、登場人物の誰がどの台詞を言っているのか単純に判りにくいため、感情移入し難いという問題があったためです。
会話の中でキャラクター達にもっと各々の名前を呼ばせあったりした方がわかりやすくなりそう…とか、読み手としては思いました。
あとストーリー上にちょっと出しの勿体ない設定がいくつかあったな…とか考えちゃいました。
葛城が、改まった要件を話すときだけ「田所君」から「信哉」呼びになる設定、絶対最後の方で効果的に使われるんじゃね?って思っていたんですけども………なんもなかった。
館の主、財田雄山(たからだ ゆうざん)は最初から最後まで寝たきりのまま一度も目覚める事なく、何も語らないので(日記があるので人物像はわかるのですが)……居ても居なくても良い存在ぽくなっちゃってるな、とか。ずっとスヤピピッ😴
男っぽい口調の女性盗賊?強盗の小出(こいで)は、女性を食い物にする男が大嫌いだと何度か書かれていたけど、結局その背景までは深堀りされなかったな………とか。
自分、小出しにされた何かまで全部説明して欲しい人みたい。何か意味があると思っていろいろ拾っちゃったところ全て理由を明らかにしてスッキリさせて欲しいタイプ。フヒヒ、めんどくさい読者ですがね😂
火事については何故かハラハラせず緊迫感がありませんでした🔥
他キャラについて。
犠牲者になる天利(あまり)つばさは、なんだかジブリ作品に出てきそうな女のコで、浮世離れしたカンジが気になっちゃいました…スマホのある現代人っぽさが無いというか。
かつての飛鳥井の助手、甘崎美登利(あまさき みどり)と飛鳥井の2人の関係はちょっと百合っぽく見えました、も〜すぐそういう風に見るんだから〜このぱんぶた。
山火事から館に避難してきた近所の住人、久我島(くがしま)という男性、いちいちあやしすぎるのですが😅
館の住人である父親の財田貴之(たからだ たかゆき)と、つばさの兄財田文男(たからだ ふみお)については、最初の方でつばさの名字が財田じゃない事が既にわかっているのに、それでも伏線回収した時は驚きました!
いろいろ不満を書きましたけど、葛城がどんどん謎を解いていくところはこれぞミステリ!で面白かったです😃
ただ作中、名探偵とは?みたいな探偵論がやたらと熱く語られるので、葛城も飛鳥井も職業にしている訳ではないのにプロ意識強すぎてそこは鼻白んでしまいます…。なんか白熱した議論に同調出来ず置いていかれるぱんぶた🤔
ラスト。謎は解き明かされたというのに、自分的にはモヤモヤとした読後感。
続編『蒼海館の殺人』『黄土館の殺人』が出ている様なので、そちらに精神的な問題は持ち越しなのかも。
続きは読むか悩み中です🥹