館シリーズとしては7作目にあたる本作の4/4冊目を読了しました…終わってしまった……(溜息)📚
いやシリーズ的にはまだ、びっくり館とか奇面館とか続いている訳なのですが、これ以上のゴシックホラーでファンタジー?な本格推理小説はもう出ないと思って既に悲しんでる。
手短にネタバレありの感想を書きたいと思います、繰り返しますがネタバレありですから!〈警告⚠〉
これまでの1〜3冊目までの感想は普段の日常ブログの中で書いており、下記にリンクを貼っておきます📝
実は読み終わったのはだいぶ前になるのですが、まだすごい喪失感がありまして、また次の館シリーズからは江南君も登場しない事ですし、暫く休むか他の作家さんの未読本に手を付けてみようかなと思ったりしています…。
賛否両論ありそうな内容でしたけど、私はとても好きでした!過去形になるのはまだ先なので好き!
自分の中での好き度でいえば
1. 十角館の殺人
2. 暗黒館の殺人
3. 時計館の殺人
4. 黒猫館の殺人
5. 迷路館の殺人
6. 水車館の殺人
7. 人形館の殺人
の順でしょうか。
暗黒館はまあめっちゃ長丁場ですし、繰り返しの言葉がたくさん出てきますし、謎の“視点”がうるさいですし(笑)進みが遅く感じられたのですが、最後の方は急に玄児さんが焦らしてきたいろいろな情報が明るみになってきてあっという間に終わりの時がきたよ。きました。きてしまった。
第二十五章 真昼の暗雲
無邪気な双子の心が闇深い。
第二十六章 欠落の焦点
二人の江南。
間奏曲 六
江南(こなん)君が覚醒しつつある模様。
突然のサヴァン症候群的な描写が…ぱんぶたの中ではサヴァン症候群なキャラクターって言ったら『ザ・ファブル』の殺し屋、佐藤アキラな訳でして!館シリーズを読んでいるのに急に目出し帽を被った兄さんのイメージが脳内にチラつきました(笑)
今まで謎の“視点”が捉えてきた様々な違和感の理由が次々と解き明かされます。
これまでもずっと、ものすごくヒントだらけだったのに、ほんの少し前まで全然解っていなかったのですが…!スゴくない?読解力ってなに。
第二十七章 暴走の構図
犯人の動機は前回の感想で書いた通りだったけど、江南(こなん)君は犯人じゃないので、安心して読んでいられる😊と思ったら…、その後怒涛の展開がとんでもねえんだわ!
父・柳士郎「(玄児さんに向けて)しかしお前は一つ、どうしようもない誤解をしている」
とか言い放ってから、さらなる真実が待ち受けているし、館が火災に遭うし(フラグ立ってたからそこは驚かないけど違うんよ、玄児さんが、玄児さんが、玄…ゲフッ!!)
もうこんなにストーリーをバラしまくっておいて何なのですが、読んでほしい!読んでください!読!
あと中也君、きみはっ、玄児さんに何を言おうとした!?なに、なに、なに〜、何なのか気になって眠れん!!!
第二十八章 封印の十字架
江南(こなん)君が目覚めると、目の前に鹿谷さんの顔が…やっと会えました。嬉しい!
これはぱんぶたの個人的なラストの捉え方なのですが、江南(こなん)君は、4日間眠り続けている間にユングで云うところの集合的無意識な領域にチャネリングしてしまったという解釈で説明出来るのかなと思いました。
つまり、ずっと現在(1991年/平成3年)の話だと思っていた筈が、暗黒館で語られている現在は1958年(昭和33年)の過去の話だった──現在の雲仙普賢岳の噴火の影響と思われていた事象が、過去の阿蘇山中岳の噴火での影響になっており、またテレビのニュースや写真なんかでも気付ける場面がたくさんあったのですが、それを気付かせないような現在と過去の一致、江南と江南の一致、その他符合する点が多く、でもよく見るとさり気なく少しずつ違っているのです。
そして、1991年現在の暗黒館と住人が気になりますし、中村青司も気になります。
書き足りないけどまた長くなってしまうので、終わりにしたいと思います。
吸血鬼とか、不老不死をもたらすという人魚の肉の伝説とか、そういった設定がお好きな方は楽しいのではないかなと思いました、もちろんミステリ好きな方にも。ぱんぶたと同じ腐界隈の者にもこのブロマンスをオススメしたい。
巻末には、恩田陸、京極夏彦、宝野アリカ、奈須きのこ各氏の「特別寄稿」が収録されているよ📝
錚々たる顔ぶれです🤓