読了しました〜📗
〈警告〉ネタバレしますのでご注意ください⚠
今回も面白かったです!
あらすじ的なものは表紙裏の文章を下記に📝
大いなる謎を秘めた館、黒猫館。
火災で重症を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬(あゆた とうま)の奇妙な依頼を受け、推理作家・鹿谷門実(ししや かどみ)と江南孝明(かわみなみ たかあき)は、東京から札幌、そして阿寒へと向かう。
深い森の中に建つそのその館で待ち受ける、“世界”が揺らぐような真実とは!?
シリーズ屈指の大仕掛けを、読者(あなた)は見破ることができるか?
病院で記憶のない鮎田冬馬氏が唯一持っていたノート。
そのノートに書かれた手記によると、どうやら黒猫館なる館で殺人事件が起こったらしい…事が書いてあり、それが果たして本当にあった事なのか創作なのかと考えあぐねていたところ、その手記の中に出てくる「中村青司」という名前が鹿谷門実の小説「迷路館の殺人」にもあった事で鮎田氏から鹿谷・江南の2人に相談がもちかけられる事に──。
ちなみに出版社勤めの江南君は時計館の事件のおかげで?文芸書籍へと異動になり、なんと鹿谷さんの担当編集者となっていましたよ!
なので出版社宛に届いた手紙により、2人が相談を受ける事になったのです。
さらには、江南君の事を「こなん君」と呼ぶ職場の隣のデスクのU氏って、迷路館の時の宇多山英幸編集者じゃないですか🤣
何気なくさらっと書かれているのですが(笑)シリーズを作品順に読んでいて良かった!!
気になる鮎田氏の手記の内容ですが📖
ちょうど1年程前──鮎田氏が管理人として住みこんでいる黒猫館に、館の現オーナーの息子(大学生)とそのバンド仲間達が宿泊に訪れる事になったのですが、この学生達がこれまでのシリーズのお行儀の良い登場人物達とは真逆のタイプで、薬物をキメるわ一人旅をしていた女性を連れこんで乱交パーティを開くわといったとんでもない輩達。
何も見なかった事にしておこうとした鮎田氏なのですが、翌日旅行者の女性が死体となって発見され───みたいなカンジで厄介事に巻き込まれていきます。
話は逸れますが、現オーナーの実家が埼玉県大宮市…と書いてあって懐かしいキモチになった元大宮市民(※現在は さいたま市)です。
さて、現オーナーの前にこの館を建てた元の持ち主がいる訳なのですが、それが札幌で大学助教授をしていた天羽辰也(あもうたつや)という人物で、中村青司に云わせると彼は「どじすん」らしい。
どじすんて??なんぞ???
実はどじすんというのは、チャールズ・ラトウィッジ・ドジスン、ルイス・キャロルの本名だという事です。平仮名で書くからぁ~!イヤ片仮名でもわからんけどさぁ!😂
ルイス・キャロルといえば「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」ですね🐾😺
手記を読み進めていくと、作中で鹿谷さんも言っているのですが、違和感を感じるところがかなりたくさんあります。
その違和感、たぶんぜんぶ正解です。
読んでいる時には全然気付かないのですが、手記がものすごく堂々とした伏線だらけなのです。
密室トリックに氷を使ったのだなというのはすぐに気が付きましたが、でも確か冷蔵庫は壊れていて氷がつくれなかった筈なのに?とか。
館の左右や方向や色とか。
見取り図で、何故この家は北を向いて建てられているのだろうとか。
そういえば本文図版は奥様で同じ小説家の小野不由美さんによるものです。
関係ないですが北海道のお家って殆ど勝手口が無いような気がしています…昔はある家が多かったのかな?勝手口があると気密性からいっても部屋が寒くなりますもんね。
今回の江南君はただただ鹿谷さんに同行しているだけなカンジで、十角館の時の方が推理してみたり色々考えを述べていた様に思います…のですこし残念。
でも鹿谷さんとの会話の中で、鹿谷さんの弱点がゴキブリだと判った時に、今度ジョージ・A・ロメロの『クリープショー』(※ホラー映画短編集。内一つがゴキブリの話)のビデオでも持って遊びにいこうかな、なんて考えているところがやっぱりカワイイと思いました📼
語ってるとどうしようもなく長くなるので、ここいらへんでおしまい。