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【ちょこっと感想】此の世の果ての殺人

読み終わりました📘
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此の世の果ての殺人 荒木あかね

 

もうね、本のタイトルからして好みなんだわ。

最初から最後まで物語の世界にひき込まれっぱなしでした📖

あらすじ的なもの〉帯より↓

小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。

そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。

年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見した。

教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始める──。

 

はい。

話し始めると無駄に長くなりそう。

ネタバレしないようなことだけ徒然なるままに書いてみようと思います。…いやもしかしたらネタバレするかも知れないのでご注意くださいです⚠

 

テロスが空から降ってくるのは日本の熊本県なのですが、どのみち落ちたら日本どころか地球は終わり──それでも少しでも日本から離れようと、人々は海外へと逃げ出していく。

そうして特に九州には、殆ど人が居なくなった世界。僅かに残った人々も絶望感から次々と自らの命を絶ち、主人公の小春(ハル)の家族もその例外ではなかった。

冒頭から、自殺者の死体が普通に出てきて重苦しい空気、悲壮感が漂いますが、それらを意に介さず普通に自動車教習所に通い続けるハル。わりとドライ😂

そして誰もこない筈の教習所で、たった一人通う生徒(ハル)を相手に教えるイサガワ先生。

この年の離れた2人の女性が、もうすぐ終わる世界で発見した他殺死体の犯人探しをするのですが、この2人、別に特に仲良しな訳ではない…。

むしろ正義感の強すぎるイサガワ先生に巻き込まれたカンジで同行するハルが、機能していない警察や、ライフラインの供給の止まったこの世界でサバイバルの様な生活を送っている人々と出会ったりする、教習車ロードムービー的な面もあるようなないような。

携帯電話の電波がかろうじて拾える場所に身を寄せ合い集まっている人達の、悲観的ではなく最後までただ日常生活を送っている姿に、何か胸が詰まる思いがしました。

特殊設定からファンタジー小説のようでもありますが、地球滅亡を前にして何故、殺人事件が起こったのか、その謎を追うミステリ小説としてもとても読み応えがあります。

あと単純にイサガワ先生とハル、友達でもなんでもない2人の関係性が好きです。読後感もしんみりとはせず、世界がどうであろうと関係なく普通を貫いてくれた事が嬉しく思いました。

逆に登場人物の中で男女の恋愛とか出てこなくて本当に良かった…と思う。この世界設定でそういう感情出てくると途端に陳腐になる気がする。

この作者の方の次作も出ている様なのでまた読みたいっていうか読むと思います。

 

最後に、本の帯に錚々たるメンバーのコメントが書かれておりスゲェや!と驚きました。

小島秀夫(ゲーム好きな人ならわかるよね)

京極夏彦

綾辻行人

うわ、いつの間にか日付変わりそう。

全然まとまらないけど、ここまでか。